2022.12.27

PRESS RELEASE

20~50代のビジネスパーソン対象「DXの理解度に関する調査」を実施。DXの定義を正しく理解している人は2割未満。

(プレスリリース発行元:トレノケートホールディングス株式会社)

デジタル推進人材向けのスキル標準の発表に合わせて、20代~50代のビジネスパーソンを対象に、「DX(デジタルトランスフォーメーション)の理解度に関する調査」を実施。企業におけるDXへの関心が高まる一方、DXの正しい定義を理解している人は少ないということが明らかになりました。
経済産業省は、DXのためには、まず全てのビジネスパーソンがデジタルリテラシーを習得することが重要であることから、働き手一人ひとりがDXに参画し、その成果を仕事や生活で役立てるうえで必要となるマインド・スタンスや知識・スキルを示す、学びの指針として、「DXリテラシー標準」を令和3年度に策定しました。さらに、DXを推進する立場の人材に必要な、変革のためのマインドセットや専門的なデジタル知識・能力の獲得を推進するため、デジタル推進人材向けの「スキル標準」は令和4年12月に発表されました(※1)。
今回の調査では、DXの定義や関わるべき人についての誤解がまだ多いのではないかという仮説をもとに、全てのビジネスパーソンにとって重要となるデジタルリテラシーおよびスキルの習得状況について探りました。
※1 経済産業省 デジタルスキル標準 https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/skill_standard/main.html​

■サマリー 
1. DXの定義を正しく理解している人は、わずか19.0%
2. “自社のDXが成功している”と回答した人の自社の取組みは、「ペーパーレス化」など、60.6%がDXの初期段階に留まる
3. 企業がDXを実現したと聞いて、その企業が行ったことのイメージは、“自社のDXが成功している”と回答した人ほど、初期段階の活動を回答する傾向が見られる
4. DXについて学ぶ予定がない人の理由は、「何を学べばよいか分からない」がTOPで47.2%
5. ITやDXについて「学んだことがない」人は59.5%。ニュースで触れる程度も合わせると81.1%

■トレノケートホールディングス株式会社 代表取締役社長 杉島泰斗より
今回の調査では、DXの正しい定義の理解が中々進んでいないことが分かりました。“DXについて学ぶ機会がなかった人”が過半数 (59.5%) を占めていることは、この背景の1つと考えられます。
しかし、DXの推進は企業が今後生き残るために必要不可欠です。総務省による令和3年版情報通信白書でも、「デジタル化が遅れる企業は競争に敗北する恐れがある」「変化するビジネス環境での生き残りや、国際競争力の回復のためDXへの注目が高まっている」と述べています。デジタル化やDX化が世界的に進むことで、ビジネスでの競争環境は将来的にさらにグローバルに広がっていくことでしょう。それまでに現在低迷している日本全体の競争力を高めるためには、すべての社会人がDXに関連する知識やスキルを身につけるべきです。ですが、調査ではどこでどのように学べばよいか分からないと感じている人が多いことも課題として分かりました。国の政策としてもDXに関するスキル獲得を推進しようとしていますが、それぞれの企業でも、積極的に学ぶ機会を提供し、またその必要性について社員にメッセージを発信していくことが必要です。
トレノケートも、学びの入り口となるコンテンツや、なぜDXが様々な立場の社員にも必要なのかを知っていただくための資料やトレーニングを提供しています。無料で利用いただけるものも多数ありますので、ぜひお役立てください。
※セミナー録画視聴「DX人材育成デザインパターン」
「DXリテラシー標準」を読み解く 

DXの理解度に関する調査
<調査概要>
・名称:「DX(デジタルトランスフォーメーション)の理解度に関する調査」
・対象:全国の20代~50代のビジネスパーソン 男女588名
・期間:2022年11月17日~18日
・方法:インターネット調査 (GMOリサーチ Japan Cloud Panel)

調査レポート1
DXの定義を正しく理解している人は、わずか19.0%
調査で「DXの定義として、自身の考えに一番近いものはどれか」と聞いたところ、正しい定義を選択した人は、全体のわずか19.0%でした。DXという言葉が広く使われているにも関わらず正しい定義を理解している人は少ないことが分かりました。
経済産業省によるDXの定義は「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」 (デジタルガバナンス・コード 2.0) です。つまり、単なるデジタル化やIT知識の習得ではなく、ビジネスや組織そのものを変革することがDXの達成となります。

■DXの定義として、あなたの考えに一番近いものはどれですか(N=588)

調査レポート2
“自社のDXが成功している”と回答した人の自社の取組みは、60.6%がペーパーレス化などDXの初期段階に留まる

■「自社でのDXの取組み内容」のワードクラウド(同取組みが成功していると思う人が回答)

※ユーザーローカルAIテキストマイニングツール https://textmining.userlocal.jp/

“自社でDXに取組んでおり、それが成功している”と回答した人(78.2%)に、その具体的な内容をフリーアンサー形式で聞いたところ、10.6%の人が「ペーパーレス化」と回答。その他にも「オンライン講義の実施」や「請求書のデジタル化」といったDXの初期段階のものなど、DXの達成とは言えないものが全体の95.5%を占めました。一方、“自社のDXが成功していない”と回答した人は、「自動化」や「DXチームや専任担当の配置」といった回答がありました。デジタル化はDX化達成への重要な初期段階です。それらに取組んでいる企業は、さらに取組みを進めることで、ビジネスの変革を達成できる可能性があります。しかし、正しくDXを捉え、ビジネスや組織の変革のためにDXを推進することが求められます。

調査レポート3
企業がDXを実現したと聞いて、その企業が行ったことのイメージは、“自社のDXが成功している”と回答した人ほど、初期段階の活動を回答する傾向が見られる

DXの実現に対するイメージを聞いたところ、“自社のDXが成功している“と回答した人の多くが電子化やツールの導入などDXの初期段階である項目を選んだのに対して、“自社のDXが成功していない”と回答した人は比較的DXの達成段階の取組みを選ぶ傾向にありました。
※各項目のDXの達成状況により、【初期】【要素】【達成】を項目の頭に記載

■「企業がDXを実現した」と聞いたときに、その企業が行ったこととしてあなたのイメージにもっとも近いものはどれですか。
複数回答(N=成功している:61/成功していない:17)

調査レポート4
“DXについて学ぶ予定がない人”の理由は、「何を学べばよいか分からない」がTOPで47.2%
DXについて学びたいかという質問に対して、学ぶ予定がないと答えた人は全体の86.6%。さらに、“DXについて学ぶ予定がない人”に対してその理由を聞いたところ、「何を学べばよいか分からない」が47.2%でトップ。次いで、「学ぶところを知らない」が39.3%という結果となりました。
また、DXリテラシー標準で触れられている能力・知識について聞いたところ、実際に身につけていると答えた人は、セキュリティの基礎知識を除いてほとんどが12%以下でした。
※“DXについて学ぶ予定がない人”は、「学びたいと思っていない」「学びたいと思っているが、学ぶ予定はない」と答えた人の合計値

■あなたはDXについて学びたいと思いますか?(N=588)


​■学ぶ予定がない、学びたいと思っていない理由は何ですか? 複数回答(N=509)

■ご自身がすでに身につけている能力・知識は次のうちどれですか?複数回答 (N=588)

調査レポート
ITやDXについて「学んだことがない」人は59.5%。「ニュースで触れる程度」も合わせると81.1%
ITやDXについて学んだ経験を聞いたところ、59.5%の人が学んだことがないと回答。また、何かしらの形で学んだことがある人の半数以上が、一般的なニュースに触れる程度で、積極的な情報収集や学習は行っておらず、それらを合わせると実に81.1%の人がDXを学んだことがないことが判明しました。

■これまでのITやDXについて学んだ経験で、一番近いものはどれですか(N=588)

※本レポート中に表記してあるデータは小数点第2位で四捨五入を行っているため、合計数値として掲載している値と、表中の個別の数値を合算した値が異なる場合がございます