2023.05.30

新入社員研修での感動という「原体験」からキャリアが動いた – 田中淳子の『人材育成』応援ラジオ 書き起こし

本記事では、トレノケート株式会社で配信しているVoicy番組 「田中淳子の『人材育成』応援ラジオ」 から、好評をいただいた放送をピックアップして文字としてお届けします。
音声でお聞きになりたい方は、Voicy内チャンネル をご覧ください。

 

「田中淳子の『人材育成』応援ラジオ」 とは
パーソナリティは、人材育成に携わって37年、人材教育シニアコンサルタントの田中淳子が務めます。自社の人材育成を考える上でヒントとなるようなちょっとした知識やスキル、具体例など、人材育成にご興味・関心がある方向けに役立つヒントを毎日約15分でお話ししています。

第2回となる今回は、トレノケート株式会社の社員との対談回 #112 新入社員研修での感動という「原体験」からキャリアが動いた。人材育成への想いを熱く語る我が上司。  を取り上げます。
パーソナリティ田中と講師と営業両方を務める三浦美緒が、人材育成に対する想いを前後編の2回に分けてお届けします。

※なお、読みやすさを意図して、会話の内容、趣旨を変えずに表現などを一部変更しています。

INDEX

目次

文系からエンジニアへ、そして人材育成の道へ進むまで

学生時代から行っていた、「自分の価値をあげる」経験

文系からエンジニアへ、そして人材育成の道へ進むまで

田中

今日は三浦さんにお越しいただきました。よろしくお願いします。

三浦

よろしくお願いします。

田中

三浦さんは入社以来、20年前からの知り合いなのですが、昔、講師として同じ部署にいたところから巡り巡って、今また営業部で一緒に働くというご縁のある方です。

それでは、まずざっくりと自己紹介をお願いします。

三浦

はい、三浦美緒と申します。よろしくお願いします。

私はトレノケートに2002年に入社しまして、まずは講師として業務をしておりました。
その後、マーケティング関連の部門に移ったのち、また講師に戻り、現在は営業本部で人材育成ソリューション部の部長を務めております。

田中

私もよく「半分ぐらい営業部所属」とVoicy内で言っているのですが、それが人材育成ソリューション部で、今、三浦は私の上司です。

講師としての専門分野をわかりやすくお話頂けますか?

三浦

ざっくりとは、技術講師です。

前職で外資系のUNIXベンダーでエンジニアとして勤務をしていた経験を生かして、始めはLinuxとかオープンソース系のトレーニング研修を担当していました。LinuxはOSの1つです。

マーケティング本部に移った後、再び講師に戻った際は、パブリッククラウドのサービスの1つであるAWS (Amazon Web Services) の認定インストラクター講師が不足しているということで、AWSの講師になりました。

今は営業本部にいるのですが、AWS認定インストラクターも続けておりまして、講義をする日も営業活動している日もありますという二足のわらじのような過ごし方をしています。

田中

まとめると、IT研修の講師をしていて、なおかつ営業の一部門のマネージャーを兼任、ということですね。
トレノケートには20年前にキャリア採用で入社されたわけですが、今ちらっと触れていた前職での経験やなぜ人材育成に転身しようと思ったのかをお聞かせください。

三浦

前職はエンジニアだったのですが、学生時代に情報工学などを学んだわけではなく、文学部を卒業したバリバリの文系でした。新卒時代は営業の希望で応募していたんですけれども、ちょっとご縁がありまして、エンジニアの素養がありそうなので、とエンジニアとして採用・配属いただきました。

全く未経験の状態で不安があったのに加えて、前職の同期の方々は理系の院卒または博士号を持っている方、情報系を専攻して来た方々もいらして、入社時点で年齢や知識差が大きく離れた状態からのスタートでした。この知識格差がある中で、でもお客様には同じ会社のエンジニアとして見られることになるのだなというプレッシャーがありました。それもあり、新入社員研修では本当に落ちこぼれだったのですが、有識者の皆さん、同期の力を借りながら頑張って学びました。

 

3か月あった新入社員研修は本当に難しく辛い思いをしながら学びましたが、その結果、現場に出していただいた時にいっぱしのITエンジニアとしてお使いいただくようなことになりました。これって凄いことだなと思ったんです。その後もエンジニアとして過ごして行く中で、新しい技術にキャッチアップするために研修を受講させてもらって、新しい知識をインプットして、自分を高めて市場価値を上げていく、ということを繰り返していきました。

そうして学ぶことが自分の時間あたりの単価を高めていく、価値向上していくことにダイレクトにつながるという体験が非常に面白かったです。

 

全てのはじまりだった新入社員研修が本当に自分の中ではカルチャーショックを受けるぐらいの大きな印象深い出来事だったので、研修業界で皆さんのキャリアップ、スキルアップの支援をするような側にまわりたいなと思って、トレノケートに入社しました。

田中

その新入社員研修のカルチャーショックというのは、何が一番カルチャーショックでしたか?

三浦

一番はやはり、全く経験のない分野の内容を教育によって効果を引き出すことができる、成果を引き出すことができる、この教育の価値ですね。

田中

「何ヶ月間かの新入社員研修を受けると、文系出身のITの素人が、ちゃんとお客様からお金を頂けるような仕事ができるような所まで行くんだ、というのを自分が経験してすごいと思った。じゃあ、そっち側にまわろうと思って転職した。」と。なるほど。

三浦

本当に研修が好きで、研修凄いぞ、といつも思ってお客様に営業活動ではお勧めしているので、だいたい熱量高すぎて暑苦しい感じの提案になりがちです。

自分が好きで良いと思っているものを常にお客様にお勧めしています。

田中

講師だった三浦さんに営業部のマネージャーをさせてみては、という判断は、きっとそんなところが背景にありそうですよね。

学生時代から行っていた、「自分の価値をあげる」経験

田中

この対談の打ち合わせをした時に聞いた「自分の価値を上げることは学生時代のアルバイトの時からやっていた」という話がとても面白かったので、そのあたりの話を聞かせてください。

三浦

大学時代にどんなアルバイトが良いかな、といろいろ探した時に、和服のウエイトレスさんをやりたいな、せっかくやるならちょっとお友達にも自慢できるような高級店がいいなと思ったんです。

その条件に合うアルバイト募集の貼り紙を発見したのは良かったのですが、未経験者NGだったんです。やはり高級店だけあって時給も高く、ここを目指すためには、まず経験を積まなければなりません。

それで、最初は入りやすい、少し身近なレストランで飲食店のアルバイト経験をしました。

田中

それは未経験でOKなところですね?

三浦

はい。未経験OKのところに応募して採用いただきました。

ここで経験したことで未経験ではなくなったのでもう一歩進んで、和服の着付けができない方でも大丈夫、ただし飲食店の経験求む、という募集に応募しました。こちらでは経験者ということで、やはり経験値の分だけ少し時給が上がりました。

そこでまたアルバイトで学んで経験をし、着付けの勉強もさせてもらって、自分でも一通り日常着としての和服の着付けができるようになりました。その状態で最終的に元々行きたかった高級飲食店に挑戦し、採用となり、時給としてはだいたい2倍以上ぐらいにステップアップしました。

田中

すごい。未経験者OKのところで修業して、スキルと自分の価値をどんどん上げていった、という学生時代の原体験が、今の講師や営業の仕事につながっているのでしょうね。

 

一つ、今の話で面白いなと思ったのは、着付けができなかったのを自分の力で学習したりいろんな所で経験を積んで、自分の力で時給をアップしていったりしたことで、仕事の幅が広がったり、可能性が広がったり、選択肢がたくさん増えたりしたというところです。

今取り組んでいる人材育成の仕事や営業マネージャーとして、この経験がつながっているところや、提供する際に込めている想いなどはなんでしょうか?

三浦

私たちはIT人材やデジタル人材を育成することも一つのミッションにしておりますけれども、ITやデジタル、またそれにまつわるビジネスの知識や経験を学んで習得をしていただくことによって、同じ一時間の密度がより濃く、いつもよりたくさんの仕事ができるかもしれないですし、あるいは学んだことを生かして、いつもより付加価値の高い仕事をできるかもしれないなと思っています。育成という言い方をしますけれども、業務に役立てながら、ぜひご自身の付加価値を高めていただきたいです。

学んだ方々が場合によってはお給料が上がったりですとか、お客様へより高い商品を販売できたりですとか、そういうことを含めて、学びが皆さんの人生をより良くしていく。これをお伝えしたくてさまざまご提案をしている状況です。

田中

一緒に提案活動に同席したことがあるんですけど、三浦さん、すごく熱いので面白かったです。

声が大きいとかそういうことじゃなくて、パッションやモチベーションが凄い。

三浦

確かにそのモチベーション、どこから来るんですか?と聞かれることがよくあります。

田中

お客様からもですか?

三浦

はい。お客様とお取引先にご質問いただきますが、ちょっと答えはないのですよね。

田中

もう完全に内発的な動機づけなんですね。

三浦

そう思います。

田中

そうした話を聞いていると、やはり新入社員研修の時の「素人の私が、短期間でこんなに変わって、お金を稼げるエンジニアになれるんだ、凄いなと思った」という原体験や、学生時代の自分自身で学んでいくことによって、時給を上げていったり、働きたいお店に行けたり、といった経験が全部セットになって、今の三浦さんを支えているのかなと感じました。

三浦

そうですね。おそらくそのサイクルが純粋に楽しいんだと思います。

田中

楽しいんですね。

今の仕事だと、一番楽しいことなんですか?

三浦

今はDX人材育成に関連したご提案をする機会が多いのですが、そうした様々な企業様とコミュニケーションをし、それぞれの課題やビジョン、目指すべき人材像、各社様のコンセプトがあるのを説明いただきながら、お客様によって異なる人材の課題に寄り添ってアイディアを出すのは楽しいです。

田中

こういう方法ならいけるかもとか、私たちが既存の研修としては持っていないものを組み合わせたらこうなりそうとか、こういう方法なら提供できそう、といったことはよく一緒に考えますよね。

三浦

そうですね。淳子さんと切磋琢磨しながら、これはどうだろう?あれはどうだろうって作戦を練るのは楽しいですよね。

田中

2人とも基本的にノーと言わないタイプじゃないですか。「無理です」とか「できません」とか言わないで、これはどうすると上手くいくかなっていう感じですよね。

三浦

そうですね。

田中

ありがとうございました。今回の「前編」では、前職での経験から育成に対する思いを伺いました。

「後編」ではDX人材に関してお届けします。特に最近は、エンジニアの強化だけではなく、全社的な育成、リスキリングをしたいというご相談が多い中、人材育成担当の方がどう考えるかや、ひとりひとりの学び手としてはどうすればよいかなどについてお話します。

■後編へ続く