2022.07.19

Trainocate Leaders’ Voice – April Li (シンガポール、オーストラリア)

世界14の国と地域に展開するトレノケートホールディングス。各国の人材育成の「今」とこれからをそれぞれの国のリーダーから紹介します。
今回は、シンガポールとオーストラリアの Managing Director のApril Li (エイプリル・リー)に、シンガポールの現状と将来の展望を聞きました。

– まず、シンガポールについて教えて下さい。どのようなビジネス環境にあるのでしょうか?

April

シンガポールは成熟した先進国です。そのため、企業向け研修の市場は飽和し、競争が激しくなっています。しかし政治が安定していることと、政府からスキルアップに対しての支援が存在するため、ビジネス環境は比較的良好で、一定のトレーニング需要が保たれています。

– シンガポールでは、政府からの企業や個人のスキルアップに対する支援が活発なのですね。トレノケートのクライアントはどのような企業が多いのでしょうか。また、クライアントはどのような課題を抱えていますか?

April

クライアントの多くは大手企業です。通信やシステムインテグレーションを含むIT産業、金融サービス業の企業や政府機関が主な顧客層となっています。

シンガポールはテクノロジー面でアジア地域の中核と認識されているため、トップクラスのハイテク企業の多くが拠点を置いており、私たちのクライアントもそうした企業が多いです。
この業界では現在、ITプロフェッショナルの獲得競争が過熱しており、十分な量・質の人材の確保が非常に厳しい状況です。中でも特に競争が激しいのは、デジタルトランスフォーメーションで注目が高まっているクラウド、サイバーセキュリティ、データ分析などの分野です。

そして、激戦を制して適切な人材を採用できたとしても、入社した人に自社で働き続けてもらえなければ意味がありません。そのための重要な要素の1つである能力開発・人材開発は私たちトレノケートが得意とする分野ですので、そこを支援させていただいています。

April Li  Managing Director, Singapore & Australia / Trainocate Group Strategic Portfolio Management

– DXの進展によってIT人材の獲得競争が激しくなっているのは、日本とも共通の課題ですね。では次に、トレノケートの強みはどのような点にあると考えていますか?

April

人材育成企業としての長年の経験や受賞歴、素晴らしいパートナーなど、他社よりも優れている点をいろいろと語ることはできますが、私たちの強みはそれよりもずっと深いところにあると考えています。

これまでの実績は過去のものです。もっと重要なのは未来であり、私たちの最大の強みはそこにあります。どういうことかと言うと、継続的に成長していくだけではなく、私たちはグループとしてより大きく考え、より高みを、より遠くを目指し、より厳しく突き進もうとしているのです。

私たちのビジネスの核となるのは、実現力です。そして、自分がその一端を担うことができるのはとてもエキサイティングなことだと感じています。

– 過去の実績ではなく、グループとして未来をつくる力、実現力が強みなのですね。それでは、シンガポールでは今後どのような取り組みを予定していますか?

April

コロナ禍を乗り越えても、パンデミック前の状態に戻るわけではありません。以前の「正常な状態」はもう存在せず、新たな正常な状態(ニュー・ノーマル)の時代になりました。ですから、この新しい時代をどのように進んでいくかを計画しなければなりません。

戦略としては、2022年以降に向けた未来志向のビジネス展開に注力します。
その戦術として、シームレスなデジタル体験を実現することを目指します。そのために、既存のテクノロジーを活用したユーザー向けアプリケーションの最適化や、システムの更新、プロセスの合理化などを行う予定です。

また、人と人とのつながりも重要視しています。マーケティング関連の活動、特に対面式のイベントについては、取り組みを倍増させる予定です。

– ありがとうございます。次に、Aprilさん自身について教えてください。トレノケートに入社したのはいつ頃ですか。

April

2006年5月にトレノケートに参加しました。
その際に何か特別な理由があったかというと、実はそうではありません。トレノケート、そしてこの仕事との出会いは、まさに偶然でした。トレノケートが与えてくれたチャンスがなければ、今の私はありません。

– 偶然の出会いだったのですね。Aprilさんにとって、仕事で大切なことはなんですか?

April

自分で道を切り開く自律性や、挑戦し、そこから学ぶこと、そして周囲に影響を与える機会を持つことです。

私は、人が自分の仕事によって自身を左右されるとは思っていません。ですが、仕事には他のことに比べ、多くの時間が費やされます。そのためそちらに気を取られやすく、自分で決めた方向に向かうよりも、押し寄せてくる流れに身を任せてしまう人も多いでしょう。
しかし内発的な動機づけに従って行動するようにすれば、外的な要因に左右されることなく、元の目的に向かい続けられます。私はそのように心がけています。

また、好きなことが見つかるのを待つより、今やっていることを好きになることが大切だと思います。

– 忙しい日常を送っていると、状況に流されてしまいがちですね。それでは、オフの時間はどのように過ごしていますか?

April

私にオフタイムはありません。……もちろん、冗談ですよ!

私は旅行が大好きで、常に新しい場所を探検したいと願っています。普段はオフィスの外でもついメールチェックなどをしてしまうのですが、旅に出ることで充電し、リフレッシュすることができます。
最高のアイデアはいつも、旅先でどこかに迷い込んだときに浮かんできます。

– ありがとうございました!

2019年、スペインにて